◯吉富歯科医院ではNUK哺乳瓶、NUKおしゃぶりの使用を推奨しております。
◯口腔機能育成は0歳から始まる
口腔機能育成は赤ちゃんが母乳を飲み込む事から始まります。
生まれたばかりの赤ちゃんは「飲もう!」と思って飲んでいる訳ではなく、「吸啜反射」という口に持っていった物を吸うという人間に備わっている「原始反射」で哺乳を行います。通常原始反射は6ヶ月頃になくなっていき、それまでの間に哺乳を覚える事になります。
ここで獲得した飲み込み方は一生続いてしまいます。
◯哺乳は全身運動
哺乳している時の赤ちゃんを観察してみるとわかるのですが、赤ちゃんは足までピーンと伸ばして全身の力をつかって哺乳を行っています。
哺乳は全身運動なのです。
◯理想は母乳育児
理想は母乳育児です。
母乳はしっかり舌で押しつぶさないと出て来ないので自然と舌、口腔、全身の筋肉トレーニングになり、理想的な歯のアーチを形成していきます。
歯はほっぺたと唇と舌の筋肉の中立帯に並んでいきます。
この筋肉のバランスが崩れる事によって歯並びが悪くなります。
(原始人の化石の歯ならびを見てみると不正咬合がまったくありません!)
しかし現代では女性が社会参加するようになり、哺乳させる時間がなくなり、ミルクが登場し、赤ちゃんが簡単にミルクを飲めるようになってしまいました。
これにより不正咬合が問題視されたドイツでは「哺乳がいけないのではないか?」となり、NUKという哺乳瓶のニップルとおしゃぶりが開発されました。
しかし母乳を飲ませるのには20分かかるのに対し、NUKでも10分、日本製のニップルだと5分で哺乳が終わってしまいます。
なので口腔、全身のトレーニングの時間が足りないのです。
◯おしゃぶりは口腔トレーニングデバイス
この足りないトレーニングの時間を補うためにNUKのおしゃぶりを使用します。
おしゃぶりは決して赤ちゃんの情緒的なものではなく、しっかりとした口腔機能の獲得、全身のトレーニング、鼻呼吸を行う為のトレーニングデバイスなのです。
◯生まれたばかりの赤ちゃんは母乳が吸えない
生まれたばかりの赤ちゃんはまだ舌の力が弱く、母乳が吸えません。なのでミルクとの混合育児になるのですが、この時からNUKのおしゃぶりを使ってトレーニングを開始します。
これにより舌の力がつき、母乳が吸えるようになるのです。
◯母乳は吸わせないと出るようにならない
母乳が出ないのでミルクにするお母さんがいますが母乳は赤ちゃんに吸わせないと出るようになりません。
◯日本製ニップルの問題点
日本製の哺乳びんのニップルはドバドバミルクが出るようになっており、これで飲ませると赤ちゃんがドバドバ出てくるミルクを止める為に舌を前に出すようになってしまいます。
これによってのちのち歯列不正や低下舌などを引き起こす飲み込む時の「舌突出癖」という大問題を獲得してしまいます。
さらに日本製ニップルは口の筋肉を使わずに楽にミルクが飲めてしまうので1度でも日本製ニップルでミルクをあげてしまうとそれ以外では泣いて飲まなくなってしまうのです。
産科で無料で日本製哺乳瓶を貰うことがあると思うのですが、決して使ってはいけないのです。
◯舌突出癖の問題点
・前歯オープンバイト
奥歯を守る前歯が咬まない、奥歯の干渉による顎関節症の発症、見た目、歯並び
・低位舌(舌を上に挙げる筋肉が育たない)
飲み込み、発音の問題、歯列不正(前歯のオープンバイト、小臼歯が内側に倒れ込んだΩ(オメガ)型歯列弓)の発症、口呼吸の発症(舌突出癖の場合、舌根が気道を塞いでしまうので口を開けて呼吸してしまう)、口腔乾燥で唾液がない環境による歯肉炎、虫歯、舌の汚れによる口臭
卒乳した後もNUKおしゃぶりで口腔トレーニング
卒乳した後も6歳まではNUKおしゃぶり、6歳からは口腔機能トレーニング器具「エントレ」を1日5分くわえて口腔機能トレーニングを続けましょう
一般的におしゃぶりを長く続けていると咬み合わせが悪くなると言われていますがNUKおしゃぶりを短時間トレーニングで使用するという意味ですのでで使用用途が違います。
NUKはもともとドイツで正しい口腔機能獲得の為に開発されたものです。
6歳までの子供にはエントレは大きいのでNUKおしゃぶりを1日5分の短時間使用で使って舌挙上、鼻呼吸トレーニングを行いましょう!